大阪市立大学に在籍中、合気道部以外に部落問題研究会に顔を出していた。在籍していた訳ではなくて、「部落問題論」という講義の学生側の世話役をやっていたので、準メンバーみたいなものだった。 なので被差別部落に限らず、社会学上でいう様々な差別問題について知るたびに足をとめてきたし、今まで考えたり議論してきた積み重ねは平均よりもちょっと厚くて、世の役に立てるかもしれないとおもう。 震災による福島第一原発の事故以来、福島県のひとへの差別をする人間がいる、という話を時々聞くようになってきた。 しかしある会話の時に様子が変貌した。出身地を聞いたときに間が走った。 そして明らかにおかしな間の後に奥さんがつぶやいた。 「私達いわきの人間は恐れてるんです。東京ではいわきの住所を書いたらホテルの宿泊も断れました。電車に乗ってたら福島の人間は放射能まき散らすから福島ってゼッケンつけてほしいよねっと隣の若者が会話して