片山ふみ・野口康人・岡部晋典「図書館は格差解消に役立っているのか?」SYNODOS, 2015.12.07 Mon 図書館利用と社会階層の関係を分析した記事。いわゆる学術論文ではないが、興味のある問題なので、コメントしておく。知識や教養をすべての人にとってアクセス可能とするために、図書館は重要な役割を果たすと期待されている。それゆえ、図書館の利用と社会階層の関係は非常に重要である。著者らは図書館情報学が専門で、階層研究はあまり詳しくないと思われるので、階層研究者の視点から見ると、この研究がどう見えるかコメントしておきたい。いささか批判的なことを書くが、この研究に大きな期待を抱いているがゆえと理解していただきたい。 学歴と図書館利用が相関するのは当たり前 階層関連の変数と様々な文化活動(読書、音楽鑑賞、美術鑑賞、等々)の関連はこれまでいろいろ研究されてきており、高学歴者ほどさまざまな文化活動