昔、そこは小さなレストランがいくつもあり、座ると給仕が配膳してくれた。 グローバルがスタンダードな時代になり、広い広間に料理を置いて、各人が取り分ける時代になった。 それまで、1500円でハンバーグ定食だったのが、1000円でローストビーフ、カツ、ツナサシミ。 なんて素晴らしい時代だろう。人々は争って、バイキングのチケットを買った。 さて、チケットを買い、扉を開けて見たものは、肉に魚にデザートの山。そして、それ以上に山となった客。 もちろん、料理の追加などあるはずもない。 主催者はチケットを売って大儲けしたが、怒った客に訴訟を起こされた。 …訴訟騒ぎの前に去ったスタッフは、「押し寄せる客の中で好きなメニューをゲットする方法」という本を書いて評判となったという。