たまに実家に行くと、母が昔の写真などを整理していて、 「ねえ、これ見てごらん。あなたが小学校入った時。お下げにして、かっわいいでしょう? ほらこれ、六年生の時の。まあ足も腕も細くてかわいいことねぇ。これ中学三年生よ、ほら笑ってる、か〜わい〜。ね〜?」 などとはしゃぎながら写真やアルバムを見せるのが、微妙に鬱陶しい。 「あなたはどう撮ってもブサイクだったわね」とか言われるよりはマシだが、母が相好を崩して私に同意を求める態度を見ていると、「親の贔屓目というのはすごいものだな。そりゃ自分が産んで育てた子どもだから、かわいいと思うのはある意味自分を肯定することでもあるんだろうけれども、客観的に見れば決してかわいいほうじゃなかったよ。このまま大人になっても美人にはならんだろうというのは、顔に刻印されてるよ」と心の中で呟いてしまう。 子どもの頃の自分の写真。そこに写っているのは美少女でもなければ愛くる