雇用を絶対視してきたパナソニックが、本格的な人員整理に乗り出した。多くの日本企業が過剰雇用問題を抱えているが、政府による事実上の生涯雇用義務付けによって人件費負担はさらに増える見込みである。雇用を聖域としてきたパナソニックのリストラは、日本がいよいよ本格的な人材流動化時代を迎えたことを象徴している。 諸外国の企業における社員数は日本の3分の2 パナソニックが50代の中高年社員をターゲットに早期退職制度を大幅に拡充するというニュースが話題となっている。大手企業で大規模な人員整理に踏み切るケースはこれまでもあったが、パナソニックは長年にわたって雇用を聖域視してきた企業である。 創業者である松下幸之助氏は「事業は人なり」をモットーにしており、雇用維持を何よりも大事にしてきた。幸之助氏が死去した後もこの社風は受け継がれ、ライバルのソニーとは異なりパナソニックは苛烈なリストラは実施してこなかった。