南極グリーン島のコケに覆われた海岸と、沖に点々と浮かぶ氷山。(PHOTOGRAPH BY MATT AMESBURY) 氷に覆われた南極の景色は今、着実に緑色に染まりつつある。 南極大陸で、過去150年間に堆積したコケの層の掘削調査を行ったところ、直近の50年間では、以前と比べてコケの成長速度が3倍ほど速くなっているという研究結果が、5月18日付けの科学誌「Current Biology」に発表された。(参考記事:「南極を流れる不気味な「血の滝」、謎を解明」) 原因は世界的な気温の上昇だ。地表の氷が解けて水として存在するようになれば、それだけコケは多くの水分を得ることができ、また気温が上がれば生育期間も長くなる。(参考記事:「北極海で過去最大の海氷融解、メカニズム明らかに」、「『南極大陸の氷が増えている』は本当か」) 「過去50年間における南極半島の気温上昇は、一帯でのコケの成長に多大な変