液体と気体の双方の性質を持つ超臨界流体を利用して、多成分の一斉分析を高速に行う世界初の分析システムを、大阪大学大学院工学研究科の馬場健史(ばんば たけし)准教授らが開発した。新しい分析システムは、CO2の超臨界流体を用いた自動抽出装置とクロマトグラフで、前処理、分離、検出をすべて自動化した。超早期診断やテーラーメード医療(臨床分野)、薬効分析・毒性評価(創薬分野)、食品中の栄養・機能成分の研究(食品分野)などでの活用が期待される。開発チームの島津製作所(京都市)がこの分析装置の販売を始めた。神戸大学医学部や宮崎県総合農業試験場との共同開発で、1月27日に発表した。 食品や血液などの複雑で多くの成分を含む物質を分析する前には、分離や精製といった熟練を要する煩雑な前処理を人手で行う必要があり、自動化が難しかった。人為ミスによる回収率の低下や結果のばらつきが発生していた。また、この前処理の際に試