日本教職員組合(日教組)の全国集会参加者の宿泊を拒否したとして、旅館業法(宿泊させる義務)違反容疑で書類送検されたプリンスホテル(東京都豊島区)の渡辺幸弘会長(63)ら幹部4人と、法人としての同社について、東京地検は1日、起訴猶予処分とした。右翼団体の街宣活動などで周辺住民に迷惑がかかることを懸念して宿泊を拒んだ経緯を踏まえ「刑事責任を追及するほど悪質とは言い切れない」と判断した。 旅館業法は、宿泊希望者が明らかに伝染病を患っている場合などを除き、宿泊を拒んではならないと定めている。渡辺会長らは、日教組から第57次教育研究全国集会(08年2月)の参加者用として、同社が経営する「グランドプリンスホテル新高輪」などの客室190室の宿泊予約の申し込みを受け、契約を交わしたものの、07年11月に一方的に解除を通告したとして書類送検された。 ホテル側が集会の会場に予定されていた宴会場の使用も拒否