中国在住の中国人作家として初めてノーベル文学賞を受けた莫言(ばく・げん)氏の出身地・山東省の当局者から、半年前、選考委員に賄賂として書画や古書が送られていたことを、23日付の香港各紙が伝えた。返送したところ、当局者は別の選考委員に送ったという。中国社会では汚職や賄賂が蔓延しているが、まさかここまで…。 共同電によると、香港各紙は、選考委員であるスウェーデンの中国研究家、ゴラン・マルムクイスト氏が上海市での記者会見で述べた内容として、中国紙を引用して報じた。 マルムクイスト氏には毎月、作家らから手紙などが届き、「賞金はあなたにあげるから、名誉は私がもらいたい」と持ちかける者もいるという。同氏は「このような人々は真の作家ではない」と批判し、賞と政治は関係なく「文学としての質が唯一の(選考)基準だ」と強調した。 日本の村上春樹氏を抑えて受賞が決まった莫言氏だが、中国共産党指導下の中国作家協