東京電力は、福島第一原発の事故後に行われたテレビ会議映像の一部をこのほど公開した。映像を見ると、現場の緊迫感がありありと伝わってくる。そして、本社とのやり取りがうまく行っておらず、意思疎通に激しく温度差がある様子がうかがえるのである。 録画されていた映像は全部で150時間にものぼる。そのうちの90分を、2012年8月6日に公開したのである。産経新聞がYoutubeに公開したその映像を見ると、一号機ならびに三号機の原子炉建屋の爆発発生時、退避連絡当時の様子を垣間見ることができる。現場の混乱は尋常ではなく、本社とうまく連携して対処しているとは到底言い難い。 また気になるのは、菅元総理が現地入りした際の音声は公開されておらず、どのような言葉を交わしたのか、その内容まではうかがい知ることはできないのだ。いずれにしても、事故の全貌解明に一歩近づいたといえるだろう。150時間の記録のすべてが明かされる