過去3回にわたり、グリーン・グリッドの経験や、先進企業の事例を中心として、具体的な省エネ手法を紹介してきた。緊急避難的にそれらの手法を検討することは必要だろう。しかし、今本当にやらなければいけないことは、会社としての資源効率改善の長期戦略の作成である。 場当たり的な改善活動は、すぐに息詰まる。効率度合いを“見える化”し、きちんとした現状分析に立脚した処置でなければ、効果も限定的、あるいはまったく効果を得られない可能性もある。最終回となる今回は、エネルギー効率の高いデータセンターを作るための中長期的な道のりについて考えてみる。 データセンターのエネルギー効率改善を成功させるために必要な要素は、『指標を使った効率の「見える化」』や『会社としての戦略目標』など、大きく6項目が挙げられる(表1)。これらの要素について、詳細を見ながら、中長期的な改善の道のりを考察してみよう。