根性論で健康を害するほどの練習を強いられ、絶対権力者の顧問に意見もできない。そんなブラック部活慣れした子どもたちが、将来ブラック企業に狙われる?(ライター・島沢優子) 首都圏に住むパート勤務の女性(40代)の長男は、昨年まで私立高校のサッカー部員だった。昨年、高校の部活の集大成でもある全国高校選手権の予選で、猛練習の割に早々と敗退した。今年も後輩たちは早い段階で公立高校に敗れたと聞いた。 「やっぱりねって感じ。サッカー推薦で上手な子を入れても、監督がつぶしてしまう。ケガや故障のケアはしないし、選手は使い捨て状態ですから」 ちょうど1年前、連休に合宿があった。出発前日、息子は高熱で寝込んでいたが、「監督から来るように言われた」とフラフラになりながら家を出ようとする。聞けば監督から、「俺は熱を出しても練習を休んだことはない」と言われたという。顧問、副顧問とも30代半ばで、ともに全国大会出