1997年夏から旅情を感じさせる現在のスタイルが確立し、1998年夏から故・真島満秀氏が主宰する「真島満秀写真事務所」が撮影を担当することになった。猪井さん、長根さんは真島さんのスタッフとして撮影に参加した。その1998年夏ポスターを飾ったのは根室本線・落石駅付近の線路である。どうやって、この場所を見つけたのか。 「線路の上を歩いてロケハンすることはできないので、市販の“展望ビデオ”をスタッフで手分けして早送りで延々と見続けて、線路のラインと背景が美しい場所を探しました」と、長根さんが種明かしをする。「この場所はいいぞ」となると、巻き戻して線路はどの駅と駅の間にあるかを確認して、実際に行ってロケハンをするという繰り返し。しかも人里離れたこの辺の場所は熊や野犬が出没することも多く、撮影中に野犬に追いかけられたスタッフもいたという。 撮影中の大敵は野犬だけではない。2002年春ポスターの五能線