かつて夜行の高速バスは路線バスの独壇場だった。しかし現在は、ツアーバスが攻勢。過熱する料金競争に加え、新しい高級シートでも対決する。料金も加味し、その実力を比較した。 東京―大阪間で2倍以上の料金差 格安と高級の二極化が加速する 「ツアーバスと競合する路線は採算が悪化し、正直なところ苦しい」。ある大手路線バスの担当者はこう漏らす。高速バス業界では、鉄道系列会社などが運行する路線バスと、旅行会社が手がけるツアーバスの間で、ユーザー争奪戦が激化しているのだ。 戦いの火ぶたが切られたのは2000年。貸し切りバス事業の規制が緩和されたためだ。結果、貸し切りバスの事業者は、09年には2倍近くまで急増。比例して貸し切りバスを利用した旅行会社のツアーバスも飛躍的に増えた。 しかしこの対決、実は路線バスに不利な点が多い。例えば料金やコスト。路線バスは国などにダイヤや運賃、路線を届け出る必要があるのに対し、