【パリ=林路郎】1日発行の仏紙ル・モンドは、中国が、尖閣諸島沖での中国漁船衝突問題をめぐる一連の対応で、「粗暴な大国の顔をさらした」と批判する社説を1面に掲げた。 「中国の海(東シナ海と南シナ海)に暴風警報が出た」と題する社説は、19世紀末以来、日本の実効支配下にある尖閣諸島の領有を中国も主張していることを紹介したうえで、漁船衝突事件の経緯に言及。日本の丹羽宇一郎駐中国大使に対する度重なる呼び出しや対日交流の打ち切りなど、中国政府の一方的な対抗措置について、「その攻撃的姿勢は、沿岸に恐怖を呼び起こした」と指摘した。 同紙は、中国が、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイ各国とも領有権をめぐって対立していることに触れ、こうした「自国のイメージと国益に反する」対応の結果として、「沿岸諸国は米国との戦略的関係を緊密にする」と予測した。