「日本はものづくりの国といわれているが、実はもの“づかい”の国なのではないか」と福岡俊弘氏は指摘する。たしかに、ツイッターを大喜利に使うなど開発者が想定しないような使い方をするのが長けているのは日本のユーザーの特徴といえそうだ。 また、古くは浄瑠璃や歌舞伎から現代ではボーカロイドの初音ミクにいたるまで、日本の芸能は「掛け合い」を通じて生み出された二次創作によってクオリティが高められてきたことは、前回お届けした対談前編でも指摘したとおりである。 さてそんな折、最近ネットを中心に「ACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)」についての議論がにわかに熱を帯びている。ヨーロッパでは表現の自由を侵害する恐れがあるとして約250万人のデモが起こり否決されたこの協定だが、日本では法案の一部が今年7月31日に参議院委員会等で可決した。行きすぎた監視が日本の「創作の連鎖」に負の影響を及ぼさないとよいのだが…