【AFP=時事】インド・ビハール州に住むペカン・マンジーさん(60)は、ちょろちょろと腕を這いあがってくるネズミのすばしっこさに苦労させられたようだったが、何とか捕らえて地面に押さえつけ、その頭部を数回叩いて殺した──。 【関連写真】学校でお祈りをするムサハールの少年たち マンジーさんが住む泥とわらでできた小屋の前の埃っぽい庭では、集まってその様子を見守っていた近所の人々から歓声が上がった。「ネズミシチューを作るには15分かかる」。素手でネズミを解体しながらペカンさんはそう話した。「ここではみんなが作り方を知っている大好物だ」 ペカンさんは、インドで最も疎外された社会集団の一つ、「ムサハール(Musahar)」に所属する一人だ。約250万人いるムサハールの人々は別名「ネズミを食べる人」と呼ばれ、カースト(身分制度)の最下層「ダリット(Dalit)」からもさげすまれている。