詩羽のいる街 あの日まで、僕はこの世に奇跡が存在するなんて信じていなかった。 ここは小説『詩羽のいる街』の宣伝ページです。 舞台は東京に近い小都市・賀来野市。 ここには詩羽という若い女性がいる。 若いという以外、年齢不詳。住所不定。姓はもちろん、「詩羽」というのが本名なのかすら分からない。どこで生まれ、どんな人生を歩んできたのか、誰も知らない。 ただひとつ確かなのは、彼女にはとてつもない才能があること。 魔法ではない。超能力でもない。しかし、普通の人間にはない特異な才能。彼女はそれを最大限に活用して「奇跡」を起こしてゆく。触媒のように、それ自身は変化することなく、接触するすべての人を変えてゆくのだ。 それが彼女の生き方だ。 この小説を読んで、「山本弘の新境地」とか「こんな小説を書くなんて、どんな心境の変化?」と思われる方がおられるかもしれません。確かに、今まで書いてきたS