■『お言葉ですが…〈別巻3〉 漢字検定のアホらしさ』 高島先生、ご健在。 「週刊文春」の名物コラム「お言葉ですが…」の連載が終わってから4年。諸般の事情により版元は変わったが、熱心な読者に支えられ、あちこちに発表した文章を集めた別巻の刊行が続いている。 先生はたいへんな物知りで、かつ口が悪い。表題作「漢字検定のアホらしさ」も、「あきれかえるほどのひどい問題ぞろいで、問題を作った人の程度の低さがよくわかる」と、出題文の根本的なおかしさを次々に指摘して容赦ない。しかしその書きぶりは筋道だって率直、さっぱりと後腐れがない。先生が一番怒るのは、利口ぶってよく知りもせぬ漢字を使いどころもわからず振りかざす、さもしい根性だ。 こわごわ訪ねていった記者だが、実際に対面した先生は、播州弁でおだやかに語る人だった。