オリンピックのエンブレム問題への色々な人の反応を見ていて、仕事としてデザインに関わっていない一般の人に、どこが理解されていないのかというのが、だんだん見えてきたような気がするので、それをまとめてみたいと思います。 「亀倉雄策氏のデザインを踏襲する」ということの制作体制面での背景 1964年のエンブレムを手がけた亀倉雄策氏は、後にインタビューで次のように語っていたのだそうです。 当初、オリンピック委員会から、大会のデザイン顧問になってくれと依頼され、この時、2つの提案をした。 1)デザインは多数決ではなくて、デザインをトータルで考えられる人物を選ぶべき、デザイン評論家、勝見勝を推薦する 2)俺に大会自体のシンボルマークとポスターをつくらせろ(キーになる部分は一人の人がデザインするべき) これには少し疑問があって、1964年のエンブレムもコンペが開かれていて、結果もきちんと残っているのですが、