「予約がとれない伝説の家政婦」として知られるタサン志麻さん。レシピ本も多く出版していますが、『志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ』(河出書房新社)はひと味違います。レシピがひとつも載っていない、レシピ以前の「台所ルール」に焦点を当てた本なのです。 「レシピに書けないこと」を伝えたい 料理人にとってはアウェイな環境である「お客様の台所」に立ち、3時間で15品を超える絶品の“作り置き”を仕上げる手腕が人気の志麻さん。本書で自らのノウハウを公開したのは、「ごはん作りが苦痛」な人の負担を少しでもラクにしたかったからと語っています。 多くの人がつまずきがちなのが、レシピ本の通りに作ったのにおいしくない、味が決まらないという失敗。その原因のひとつと志麻さんが考えるのが、レシピ本の限界です。 私もレシピを書き始めて痛感したのが、料理には「レシピに書けないこと」が山ほ