トンネル方式で最も重要な役割を果たすのは,ユーザー宅内に新たに置かれることになった「アダプタ」だ。アダプタにはトンネル方式のIPv6通信を実現する機能が搭載され,トンネル方式の仕組みの要となる。ISPにとっては,ユーザーに負担を強いる可能性のある厄介な存在であり,そのコストがどうなるのか気になるところだ。 トンネルとNATを使い分ける トンネル方式では,大きく二つのIPv6通信がある。一つはインターネット通信,もう一つはNGN通信である(図1)。前者を実現する機能は「PPPoEトンネル」,後者を実現する機能は「NAT」である。どちらの機能でもアダプタが重要な役割を果たす。 ユーザー端末にはISPが払い出したIPv6アドレスが割り当てられる。ユーザーのIPv6パケットはNGNのトンネルを経由してインターネットに送られる。また,同じISPのユーザー同士でも必ずNGNの外部にある集約装置で折り返