前回は、自社の業務に必要なシステムの要件の定め方について触れた。今回はその次のフェイズ──仕様決定について考えていこう システムの要件が決まったら、これを具体的なシステム仕様書に落とし込んでいく必要がある。システム仕様書とは、要件を満たすための具体的なシステムの機能・性能に対する要求事項を文書化したものだ。 ソフトウェアの場合、要件定義や仕様書の段階で発見された不備を是正するコストと、運用段階に入ってからのそれとでは、実に200倍の差があるという説がある。また、NASAの記録では、最初の20%の工程に、全体の作業時間の15%を投入することで、プロジェクトの成功確率が80%にまで高まるという。 「早く、安く、最小の投資で最大の効果を生むシステム構築をする」には、システム仕様書の作成に手を抜いたり、他人任せにすべきでない。「急がば、回れ!」である。 質の高い仕様書とは 要件を満足するための、必