群馬県・渋川の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」の火災は発生から3日以上がたったが、焼け跡から発見された7人の遺体がそれぞれ誰なのかはまだ特定に至っていない。高熱にさらされて体の損傷が激しいことや、高齢のため識別の重要な手がかりとなる歯がないことのほか、時にDNAの照合が必要となる親族と疎遠になっていることも作業を困難にしている。 捜査関係者によれば、現場は、アルミサッシの窓枠が溶けていたことなどからも約600〜700度の高熱状態にあったと推定される。このため7人の体は炭化が進んでおり、顔で個人を識別することは不可能だ。「顔は大きなよりどころなのに、それが失われてしまっている。厳しい」。捜査関係者はこう話す。 歯型も重要な手がかりとなるが、高齢者特有の総入れ歯をしていて、歯型による確認がとれない人もいる。「差し歯ならまだしも、総入れ歯となると、仮に歯科医院などに残っているカルテを取り