傷つき疲れ果てた夜。屈辱に覆われた夜。孤独に耐え抜いた夜。辛い過去に囚われた夜。悲しみに暮れた夜。一人で泣いた夜。そして静かに復活を誓った夜……あの時救ってくれた音楽。あの時人知れず耳を傾けた自分だけの音楽。アーティストたちも同じ風景を見つめていたのだろう。題して「男たちのバラード」。この至上の一曲たちを打ちのめされた男たちに捧ぐ。(選曲/中野充浩) エリック・クラプトン「River of Tears」 1998年の『Pilgrim』に収録された心に染みる1曲。クラプトンの長いキャリアの中でも、これほどまで哀しみの風景と寄り添うバラードを他に知らない(「Tears in Heaven」と混同注意)。いきなり泣きのギターで奏でられる2分弱のイントロ。その先に広がるのは「涙の川」だ。愛する人を失った時、男は何を想うのか。初めて聴いたのは真夜中の高速道路を走る車の中。偶然流れてきたのがこの曲だっ
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