「この世界の片隅に」は橋の物語なんだよね。 ほら、「ポンヌフの恋人たち」とか、 今年最大のヒットを飛ばした数寄屋橋での男女のすれ違いを描いたメロドラマ(違う)とか、 橋を舞台にしたラブストーリーってあるよね。 すずと周作は幼少期に広島の橋で出会って、嫁ぎ先の呉の橋の上で語らい、 最後に出会いの場所に戻って愛を確認する。 シンプルなロマンスだなあと思うだけど、ここで広島の橋に注目したい。 この橋はストーリーには出てこないけど、昭和15年に橋の形がT型に改修されるんだ。 で、その目立つT字型が徒となり、エノラ・ゲイはこの橋を標的に原子爆弾を投下した。 この世界の片隅に? とんでもない、二人のラブロマンスの舞台は広島の惨禍の中心地だ。 でも、この橋は原爆のすさまじい熱線と爆風に耐え、破壊はされたものの落橋しなかったんだ。 終戦後の橋の上で、周作は「この街もわしらももうあの頃にはもどらん 変わり続
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