ヴァージン・スーサイズ 監督 ソフィア・コッポラ 出演 キルスティン・ダンスト ジョシュ・ハートネット ジェームス・ウッズ 他 ジェフリー・ユージェニデスによる原作『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』が大好きだった。 「僕たち」という一人称複数というぼやけた視点から語られる、「少女たちの不可解でロマンティックな暴走」としての「自殺」という男子側の一方的な妄想によるファンタジーは、ただ幻想だというだけで捨ておくには惜しい甘さがある。 主観である語り部がはっきりしないように、十代の五人姉妹もうすぼんやりとした美しい一塊りとしてしか、物語の中では認識されていない。でもそれでいいのだ。「13歳~17歳までの年子の姉妹」なんて、個人ではなく少女性の象徴であるのは見え見えなんだから。 唯一キャラ立ちしている性的に奔放な四女のラックスにしたって、「自分を汚そうとして堕ちれば堕ちるほど浄められていく少女