暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続いています。こうした時期、「冬になるとネガティブ思考になる」「この季節は何もやる気が起きない」「冬季うつかもしれない」といった声がネット上で聞かれることがあります。「冬季うつ」という病気は存在するのでしょうか。また、通常の「うつ病」とは何が違うのでしょうか。精神科専門医の田中伸一郎さんに聞きました。 冬眠のような状態Q.冬季うつとは、どういうものでしょうか。症状や原因、なりやすい人を教えてください。 田中さん「冬季うつとは、動物の冬眠のようなうつ状態です。パンやお菓子などの炭水化物を大量に食べる、疲れっぽさが抜けない、やる気が出ない、気分が晴れないなどの症状がみられます。医学的には、秋から冬にかけて日照時間が減少し、脳内のセロトニンの働きが弱まってくることが原因の一つと考えられています。 ちなみに『秋から冬にかけて、いまいち調子が出ない傾向』は誰に