先日、生まれて初めて、ケータイ小説を読んだ。 できることなら、この手の本とは一生無縁でいたかったが、知人を通じて発行元から献本されてしまった以上、しかたがない。 俺はお前を一生愛す [上]/俺はお前を一生愛す [下] 上下巻あわせて500ページ近くもあるこの本を、休みも使って読ませてもらった。 この本は、ケータイ小説としては、比較的「読める」ほうだとは思う。 意外と言っては失礼だが、文章には編集者や校閲者がしっかり手を入れた跡がうかがえる。 また、サクラとかアサガオとか名づけられた各章は、それぞれの「花言葉」と関連した内容になっており、コワザが効いた構成だ(ちなみに作者の名前も「花穂」という)。 けれど、それはあくまで「ケータイ小説として」の話である。 僕は数多く小説を読むほうではないけれど、それでも、これまでに読んできた小説と比べて、この作品は内容としても表現としてもあまりに幼い。 「ケ