「三洋電機」のヒット商品と、それを生み出してきた開発者や企画者たち、そして三洋電機というブランドの“履歴書”を、まとめていく新連載。創業者井植歳男氏が築いた三洋電機の基盤についてを解説した第1回に続き、第2回では「ナショナル」ブランドが「サンヨー」ブランドへ変わった創成期から、家電メーカーとしての地位を確立していく60年代半ばまでを解説しよう。 三洋電機(当時は三洋電機製作所)が、創業第1号製品として投入したのは、1947年に発売した自転車用発電ランプだ。ただこれは「ナショナル」ブランドとして発売したもので、「サンヨー」ブランドではない。そう、サンヨーブランドの第1号製品は、創業から5年を経過した1952年のプラスチックラジオ「SS-52型」まで待たなくてはならなかった。 パナソニックから譲り受けた自転車用発電ランプ事業は、国内での圧倒的なシェアの獲得や、輸出事業の成功により軌道に乗り、そ