いったい世の中のいかほどの人が、清廉潔白だと胸を張れるのだろうか? 「生まれてこの方、私は1度たりともインチキをしたことはない」と豪語し、「絶対に不正はしたことはないし、これからも絶対にしない」と言い切れるのか? 私は残念ながら、「今まで、1回もインチキをしたことはありません。清廉潔白を貫き通してきました」と胸を張れる自信はない。 かといって、「はい、実はあの時……」と明確に答えられるような不正をしたことがあるわけでもない。小さいインチキはあったかもしれないし、なかったかもしれない、というのが正直な答えだ。 大相撲の八百長問題。予備校生のカンニング──。 悪いことは悪い。やってはいけないことはやってはいけない。そんなことは分かっている。でも、あの異常なまでに過熱した報道ぶりは何なのだろう。あそこまで“犯人”たちを追い詰められるほど、世の中の人は果たして清廉潔白なのだろうか。 もし、この取り