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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (50)

  • パソコン利用度とコンピュータスキルの関連

    2月25日の記事では,日の若者のパソコン所有率(利用率)が国際的にみて低いことを明らかにしました。これと関連して出てくる問題は,彼らのコンピュータスキルがどうなのかです。高度情報社会を生き抜く上で,パソコンスキルは不可欠ですが,そのレベルはどうなのでしょう。 OECDの国際学力調査PISA2009では,対象の15歳生徒に対し,自身のパソコンスキルの自己評定を求めています。以下の5つの項目を提示し,該当するものを選ばせる形式です。 https://pisa2009.acer.edu.au/downloads.php これらへの回答を合成して,対象生徒のコンピュータスキルのレベルを測る尺度をつくってみましょう。「1」という回答には4点,「2」には3点,「3」には2点,「4」には1点のスコアを与えます。この場合,各人のコンピュータスキルは,5点~20点のスコアで計測されることになります。全部4

    パソコン利用度とコンピュータスキルの関連
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    witt 2015/05/23
  • 大学生の組成図

    2013年5月時点でみて,日の大学学部学生は256万人ほどですが,その組成はどうなっているのでしょう。設置主体でバラしてみると,国立が17.5%,公立が5.0%,私立が77.6%という構成です(「学校基調査」)。 高等教育が私学依存型のわが国では,このように大学生の8割近くを私大が占めるのですが,その中身は決して一様ではありません。伝統ある一流大学と,いわゆるFラン大学では,学生の意識や行動に大きな違いがあることは誰もが知っています。 今回は,量的に多数を占める私大生の「中身」も分かる,大学生の組成図をつくってみようと思います。国公私という大雑把な区分では,「私」の領分が甚だ大きくなりますが,このゾーンを偏差値で塗り分けた図です。 私は,学研教育出版の「大学受験案内2015年度用」という資料を使って,全国の私立大学の学部の偏差値を調べました。下図は,資料から明らかにした,566私立大

    大学生の組成図
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    witt 2015/05/05
  • 職業別の年収ランキング

    毎朝,ネット上のニュースをチェックしているのですが,大学教授の平均年収を報じた記事が目に止まりました。2011年の厚労省「賃金構造基統計調査」から割り出したもので,その額1112万円だそうです。 http://heikinnenshu.jp/komuin/kyoju.html 実をいうと,この資料から多くの職業の年収を計算することができます。上記の記事は大学教授に焦点を当てていますが,他の職業はどうなのか。近年,需要が著しく増している保育士や介護職の年収はどれくらいか。こういう関心もあおりでしょう。 この点については随所で明らかにされていますが,全体構造の中での位置付けも添えた情報は,あまり提供されていないのではないでしょうか。今回は,それをご覧に入れようと思います。タイトルにあるような,職業別の年収ランキング表の作成です。 まずは,年収の計算方法を説明します。上記の厚労省資料には,(短

    職業別の年収ランキング
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    witt 2015/04/07
  • 単身無業アラフォー男性の1日

    最近よく耳にする「アラフォー」とは,おおよそ40歳あたりの人をいうのだそうです。アラウンド・フォーティーです。今年で39になる私はまさにこれに該当し,加えて独身であるものですから,アラフォー独身男子ということになります。 これに単身や無業という要素が加わると,家族や職業集団という縁を持たない,単身無業アラフォー男性となります。はて,こういう人たちはどういう暮らしをしているのか。ちょっとばかり興味が持たれます。2011年の総務省『社会生活基調査』のデータを使って,彼らの1日の過ごし方を拝見といきましょう。

    単身無業アラフォー男性の1日
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    witt 2015/02/13
  • ニートの1日

    8月22日と23日の記事では,10~14歳の子どもが,1日の各時間帯において,どのようなことをしているのかを明らかにしました。資料源は,2006年の総務省『社会生活基調査』です。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001008022&cycode=0 ところで,同調査の結果から,いろいろな人間の1日の過ごし方を知ることができます。今回は,少し風変わりな暮らしをしている人種にスポットを当てたいと思います。私は,以下の諸条件を満たす人種について,1日の各時間帯の生活行動を明らかにしようと思いました。 ①35歳未満 ②未婚 ③無業 ④無業の理由が通学でも家事でもない ⑤就業非希望 「引きこもり」ですか,といわれるかも知れません。しかし,外部との人間関係を断っているわけではありませんので,それとは違います。世間的によく知られた概念に

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    witt 2015/02/13
  • 教員の死亡率

    教員の死亡率は,どれほどなのでしょうか。激務の仕事なので,人口全体の死亡率よりも高いのではないかと思われますが,数字を出してみるとどうなのでしょう。 2010年度の文科省『学校教員統計調査』の中間報告によると,2009年度中に,死亡という理由で離職した小学校教員の数は219人だそうです。この年の5月1日時点の小学校の務教員数は419,518人です。よって,2009年度間の小学校教員の死亡率は,1万人あたりにすると5.2人と算出されます。百分率にすると,0.05%ほどです。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172 ちなみに,2009年中の20~59歳人口の死亡率は,1万人あたり16.5人です(厚労省『人口動態統計』より計算)。先の予想に反して,小学校教員の死亡率は,同年齢層の人口全体のそれよりも低くなってい

    教員の死亡率
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    witt 2015/02/11
  • 新卒就職者の非正規化

    タイトルをみて,「ああ,『学校基調査』の進路統計の分析だな」と思われ方も多いでしょうが,調査で正規・非正規の就職者数が別個にカウントされるようになったのは,つい最近のことです。 よって,よくいわれる「新卒就職者の非正規化」というトレンドもあまり可視化されていないのですが,『就業構造基調査』のデータを使って,それが可能であることに気づきました。 2012年の同調査では,卒業年と初職のクロス表が公表されています(下記サイトの表167です)。この表から,各年の卒業者が,最初にどういう形態の職に就いたのかを知ることができます。卒業後しばらくしてから就職する者もいますが,ここでは「卒業後1年未満の間に就職した者」に限ることとします。大半が,卒業後直ちに職に就いた新卒就職者とみてよいでしょう。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_to

    新卒就職者の非正規化
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    witt 2015/02/07
  • 職業別の離・死別者率

    昨年の2月9日の記事では,職業別の生涯未婚率を出したのですが,『国勢調査』の抽出詳細集計のデータから,離別・死別者の割合も計算することができます。さすがは国の基幹統計,スゴイですね。 私は,30~40代の正社員男女の離・死別者率を職業別に明らかにしてみました。この年齢では,多くが離婚を経験した離別者でしょう。職業別の離婚率というのも,いささかタブーな感じがするテーマですが,現実はどうなのでしょうか。 2010年の『国勢調査』によると,30~40代の男性正規教員30万8560人のうち,離・死別者は6420人となっています。よって,離・死別者率は2.1%となります。女性教員の値は4.9%と,男性より高くなっています。インテリの女性は離婚しやすいと,何かので読んだことがありますが,そうなのでしょうか。 他の職業の離・死別者率も出してみましょう。以下に掲げるのは,働き盛りの正規職員男女の離・死別

    職業別の離・死別者率
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    witt 2015/02/07
  • 職業別の趣味・娯楽のタイプ分け

    ブルデューが名著『ディスタンクシオン』で明らかにしていますが,趣味や嗜好は職業によって大きく違います。昨年の9月7日の記事では,1年間の美術鑑賞実施率とパチンコ実施率のマトリクス上に31の職業を散りばめたのですが,専門職やホワイトカラー職は「美術高・パチンコ低」のゾーンに多く分布しており,ブルーカラー職はその対極のゾーンに多く位置していました。 今回は,30あまりの趣味・娯楽の実施率を多変量解析にかけて,各職業の趣味・娯楽の総合タイプを引き出してみようと思います。 総務省『社会生活基調査』(2011年)には,過去1年間の生活行動の実施率が掲載されています。趣味・娯楽のカテゴリーの表をみると,33項目の実施率が職業別に明らかにされています。スポーツ鑑賞,美術鑑賞,音楽鑑賞,おどり,書道,カラオケ,パチンコ・・・などです。 http://www.stat.go.jp/data/shakai/

    職業別の趣味・娯楽のタイプ分け
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    witt 2015/02/06
  • 体験格差

    昨日,子ども時代の体験の多寡が将来の年収に影響するという趣旨の記事を見かけました。引用されているデータは,国立青少年教育振興機構の『子どもの体験活動の実態に関する調査研究』(2010年)です。 http://news.livedoor.com/article/detail/9599645/ http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/62/ 調査の原資料をみてみると,なるほど,子ども期の体験の量は成人後の年収だけでなく,資質や能力の面をも規定していることが知られます。 「何事も経験」といいますが,各種の体験は子どもの人格形成に好ましい影響を及ぼすであろうことは,疑い得ないところです。豊かな体験は,見せかけではない,生きた学力(文科省がいう「確かな学力」)の源泉にもなり,高い教育達成をもたらし,ひいては将来の成功にもつながる。

    体験格差
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    witt 2015/02/01
  • 年功賃金の産業比較

    トヨタ自動車が,年功賃金体系を若年層に手厚い仕組みに変更する方針を打ち出しています。若手に責任感を持たせる,彼らの定着を促すうえでも,効果があると期待されます。 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6147548 「何歳であるか」よりも「何ができるか」を重視する能力給への移行は,昔に比べたら進んでいるのでしょうが,まだ広く普及しているとはいえないでしょう。 このことは,入職して間もない20代と定年間際の50代の年収を比較すると,よく分かります。2012年の『就業構造基調査』をもとに,男性正社員の両年齢層の年収分布表をつくると,以下のようになります。 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm 20代354万人,50代481万人の年収分布ですが,中央の相対度数をみると,分布の型が大きく違っています。20代のモ

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    witt 2015/02/01
  • 職業別の有効求人倍率

    厚労省『一般職業紹介状況』の2014年11月分が公開されたようです。各地のハロワ等が受け付けた求人数,求職数(新規学卒者は除く)などが掲載されている基資料です。 新聞では,老若男女,全産業,全地域をひっくるめた値が報じられていますが,この原資料をみると,細かいカテゴリーごとの数値を知ることができます。私が関心を持つのは,職業別のデータです。今の社会で求められているのはどういう職業かを可視化できる,と思うからです。 私は,職業別の有効求人倍率を計算してみました。2014年11月時点において,全国のハロワ等で貼り出されている有効求人数を,求職している人間の数(有効求職数)で除した値です。簡単にいうと,求職者1人につき求人(仕事)がいくつあるか,という指標です。 人手不足が深刻な介護サービス職でいうと,2014年11月時点の有効求人数(常用)は98613,有効求職数は49845ですから,有効求

    職業別の有効求人倍率
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    witt 2015/02/01
  • 職業別のブラック度の可視化

    総務省『就業構造基調査』では,就業者の年間就業日数と週間就業時間のクロス表が公表されています。2012年の正規職員(正社員)のデータは,以下のようになっています。規則的就業でない者が多い年間200日未満就業者を除いた,3092万人の分布表です。 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm 数の上では,「年間200~249日就業」×「週35時間以上43時間未満就業」の者が541万人と最も多くなっています。このセルだけで,全体の17%ほどを占めます。 左上の青色の網をかけたゾーンは,およおそ法律の規定に合致するホワイト就業者です(年間200~249日・週43時間未満)。その数は596万人,全体の19.3%なり。法定の働き方をしている正社員は,およそ5人に1人ということになります。 その一方で,法律なんぞクソ喰らえのメチャクチャな働き方を

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    witt 2015/01/12
  • 勉強の得意度と自尊心の関連

    の子どもは自尊心(self-esteem)が低いといわれますが,その傾向は学年を上がるにつれ強くなります。 前回の記事で使った,国立青少年教育機構『青少年の体験活動等に関する調査』(2012年度)によると,「今の自分が好きである」という項目に「とてもそう思う」と答えた者の割合は,小4で30.7%,小5で24.1%,小6で20.9%,中2で8.9%,高2で7.3%というように,どんどん下落してきます。 http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/84/ 小学校と中学校の段差が大きいようですが,高校受験を見据えたテストの連続で,周囲と比した自分の相対位置を思い知らされることが多くなるためでしょう。よって自尊心の程度が,勉強のでき具合に規定される度合いが高まってくるとみられます。 私は上記調査のローデータを使って,この2つの関

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    witt 2015/01/09
  • どれほどヤバい時代を生きてきたか

    社会がどれほどヤバいかをみるには,自殺率が一番であると思います。デュルケムはこの指標を使って,19世紀のヨーロッパ社会の病理をえぐり出してみせました(『自殺論』)。 日の自殺率の長期推移を描くと,下図のようになります。1900(明治33)年から2013(平成25)までの,100年以上にわたる曲線です。自殺率とは,人口10万人あたりの自殺者数であり,厚労省の『人口動態統計』に,計算済みの数値が掲載されています。 自殺率は時期によってかなり違いますが,その水準を5段階に区分してみました。①16未満,②16以上18未満,③18以上20未満,④20以上22未満,⑤22以上,です。この段階分けは,社会の「ヤバい」度レベルとみなせます。

    どれほどヤバい時代を生きてきたか
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    witt 2015/01/05
  • 大学の退学率の布置構造(偏差値群別)

    前回は,国公立と私立に分けて,大学の学部・学科の退学率の布置図を描いたのですが,今回は,偏差値群ごとの図をみていただこうと思います。対象は,私立大学に限定します。 読売新聞教育取材班『大学の実力2015』(中央公論新社)には,各大学の学部・学科別に,①初年次退学率と②在学期間中の退学率が掲載されています。①は,入学後1年以内の退学率です。②は,在学期間内,つまり4年ないしは6年でみた場合の退学率です。 http://www.chuko.co.jp/tanko/2014/09/004656.html ここにて分析対象とするのは,①と②の両方の退学率,ならびに入試偏差値を知ることができる,私立大学の1174の学部・学科です。入試偏差値は,学研教育出版社の『大学受験案内2015』に載っている数値を使いました。 私は,1174の学部・学科を偏差値に依拠して4つの群に分けました,偏差値30台,40台

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    witt 2014/10/07
  • 専攻別の大学入学者数の変化

    つい先ほど,2014年度の『学校基調査』の速報結果が公表されました。ホカホカの統計表を眺めていると,やりたいことが次から次へと出てきますが,まずは基的な分析からいきましょう。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分析第1弾は,専攻別の大学入学者数の変化です。最近,理系人気が高まっているといいますが(理高文低),それは大学入学者数にも表れているでしょうか。また,性別でみるとどうでしょう。リケジョは増えているのか。 上記の速報結果から分かる,今年春の大学入学者数は約60万8千人です。10年前の2004年の59万8千人よりもちょっと増えています。この変化を専攻別にみると,表1のようです。 入学者の増減は,専攻によってまちまちです。右欄には,2014年/2004年の倍率を掲げましたが,人文科学,社会科学,

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    witt 2014/08/08
  • 教員の多忙化と学習時間の減少

    先日公表された,国際教員調査(TALIS 2013)の結果にて,わが国の教員は世界一多忙であることが分かったのですが,教員の多忙化は国内の時系列統計からも確認されます。 http://tmaita77.blogspot.jp/2014/06/blog-post_26.html 総務省『社会生活基調査』は,主な生活行動の平均時間を教えてくれるスグレモノですが,職業別の集計表もあり,設けられている職業カテゴリーの一つに「教員」があります。あらゆる教育機関の教員をさしますが,母集団の組成からして,大半が小・中・高の教員とみてよいでしょう。 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm 私は,教員の睡眠時間と仕事時間がどう変わってきたかを調べました。平日の1日あたりの平均時間です。1986年から2011年までの四半世紀の変化をグラフにすると,下

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    witt 2014/08/04
  • 青年の自殺率推移の国際比較

    わが国の自殺率は最近は微減の傾向にあるのですが,青年層の自殺率だけは増加しています。この点は,昨年の10月24日の記事でみたのですが,他の社会ではどうなのでしょう。ここ20年ほどの推移の国際比較をしてみようと思います。 自殺率とは,自殺者数をベース人口で除した値ですが,分子・分母の国際統計は,WHOのサイトから得ることができます。「WHO Mortality Database」というものです。先月にバージョンアップされたばかりで,各国の最新データが掲載されています。 http://apps.who.int/healthinfo/statistics/mortality/whodpms/ 私は,15~24歳の青年層の自殺率が,1990年代以降どう推移してきたのかを明らかにしました。観察したのは,日・韓・米・英・独・仏・瑞の7か国です。各国について分子と分母を揃え,割り算をして自殺率を出しまし

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    witt 2014/08/02
  • 家庭環境と学力の関連

    2013年度の文科省『全国学力・学習状況調査』では,子どもの学力や生活習慣に加えて,家庭環境も調査しています。「きめ細かい調査」というやつです。 先月の末に,この特別調査の部分も交えた集計結果が公表されました。『平成25年度 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』と題する報告書であり,お茶の水女子大学の研究グループによる執筆となっています。 http://www.nier.go.jp/13chousakekkahoukoku/kannren_chousa/hogosya_chousa.html 上記サイトにて報告書の全文をダウンロードし,中をみると,あるわあるわ,家庭環境の設問と学力(平均正答率)のクロス表がわんさと載ってます。以前は半ばタブー視されていた学力の社会的規定性の問題に,公的な関心が高まっているのですね。結構なことで

    家庭環境と学力の関連
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    witt 2014/04/04