日本政府が外国から介護士・看護師の受け入れを始めたのは2008年のことだった。政府間で結ぶ経済連携協定(EPA)に基づき、同年にはインドネシア、翌年にはフィリピンからの受け入れが始まった。これまで来日して仕事に就いた人材は2000人近くに上る。 筆者はフォーサイト誌で「2010年の開国 外国人労働者の現実と未来」(07年8月―10年4月)を連載していた頃、介護士らの受け入れの実情をリアルタイムでルポした。外国人介護士・看護師は国家試験に合格すると、日本で無期限に仕事ができる。ホワイトカラーの「高度人材」、南米諸国など出身の「日系人」らを除けば、日本が初めて外国人に永住の道を開くケースである。その意味で介護士らの受け入れの成否は、近い将来、日本が必ずや直面する「移民」受け入れの試金石になると私は考えた。
安倍総理大臣はニッポン放送のラジオ番組に出演し、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って朝日新聞が一部の記事を取り消したことに関連して、誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたという認識を示しました。 この中で安倍総理大臣は、朝日新聞が先に、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る自社のこれまでの報道を検証する特集記事を掲載し、一部を取り消したことなどについて、「個別の報道機関の報道内容の是非に関してコメントすべきではないと思うが、例えば慰安婦問題の誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは事実と言っていいと思う」と述べました。 そのうえで安倍総理大臣は「一般論として申し上げれば、報道は国内外に大きな影響を与え、時としてわが国の名誉を傷つけることがある。そういうことも十分に認識しながら、責任ある態度で正確で信用性の高い報道が求められているのではないかと思う
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「他国防衛」のための戦争が日本の安全を高める、という論理を根底から問い直す」と帯にある。本書の1節でも理解している国民が大多数を占めれば、本書は無用の長物になる。だが、現状は首相の「国民に分かりやすく」のことばを信じているのか、そもそも関心がないのか、とくに戦場にかり出されるかもしれない若者に、著書の悲痛な叫びは届いていないだろう。 本書の「はしがき」だけでも読めば、帯の裏にあるつぎの文章の意味がわかるはずだ。「問題は、過去半世紀以上にわたり歴代自民党政権によっても憲法違反とされてきた集団的自衛権の行使を、解釈変更によって可能であると国民に広く訴える歴史的な記者会見において、安倍首相が全くの“架空のシナリオ”を持ちだし、しかも……“情感”に訴える手法をとったことである。これは「国民に分かりやすく」するためのレトリックどころか、人を欺くトリックそのものであり、
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