これまでの香港人の抵抗以上に、逃亡犯条例改正案に反対する闘いは、もはや中国の窓口としての香港を必要としない世界における香港の位置付けの苦しさを物語っている。 英国から中国へ香港が返還されてから20年間、香港は西側のネオリベラル・グローバリズムと中国の専制主義的国家資本主義の間の橋渡しをすることで、その中間的存在を正当化してきた。しかし、そういう存在形態に伴って民衆が払う代償はひどいものだった。 香港を世界有数の金融ハブ―そして中国資本にとってのプライム・アウトレット―にしてきた国家とビジネスの癒着のために、ジニ係数が非常に高くなった。 貧困ライン以下の生活をする人は5人に一人。狂気的家賃高騰のため、大学卒サラリーマンは17年間給料を全額貯金してやっとアパートメントの頭金になるという状態。 そういう中で一般香港人は、香港が中国本土エリートの「世界の窓口」である限り、自分たちの文化・言語、生活