沖縄の米軍基地負担軽減策の一環として、在沖縄米海兵隊が1999年から大分県の陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場で実弾射撃訓練を始めて22年。地元自治体と防衛省九州防衛局は午後8時以降の射撃訓練の自粛を定める覚書を交わしているが、米海兵隊は2020年2月に取り決めを無視して夜間訓練を実施。「やりたい放題」の米軍の実態を知らしめたのは、地元に密着するフォトグラファーが撮影した1枚の写真だった。 住民・自治体の抗議無視 「ドン」。胸を揺さぶるような音を大分県由布市の写真家、高見剛さん(70)が耳にしたのは、寒さも厳しい20年2月14日。時刻は午後8時を過ぎていた。「まさか」。演習場を見渡せる県道脇に据え付けたカメラをのぞき、慌ててシャッターを切った。破裂音と共に暗闇に広がった閃光(せんこう)。激しい着弾音は午後9時前まで続いた。 地元自治体と九州防衛局が12年に結んだ覚書(17年に確認書に