トヨタ自動車の男性社員が上司のパワハラを苦に自殺したことを報じた毎日新聞の記事。豊田章男社長は遺族に謝罪した際、「(自殺を)ニュースで初めて知った」と語った=大阪市北区で2021年6月4日、滝川大貴撮影 トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が入社3年目に命を絶った問題で、豊田章男社長が上司によるパワーハラスメントとの因果関係を認めて和解が成立した。「会社の奴隷みたいだ」。自殺直前までSOSを周囲に出していた男性。パワハラ被害の目撃情報も寄せられていたが、管理職らは社内で情報共有せず悲劇を招いた。同社の再調査で浮き彫りになったのは、パワハラ情報に対する危機感の欠如だった。36万人の社員を抱える日本のリーディングカンパニーで何が起きていたのか。 「ニュースで初めて知った。取り返しのつかないことになってしまい、心からおわびします」。毎日新聞の報道で男性の自殺が発覚した2019年11月、豊田社長は