2年以上にわたって日米地位協定の実態をあぶりだそうともがいた「特権を問う」取材班の記者たちは、どのように問題と向き合ったのか。取材過程を含めて書き下ろした新著「特権を問う ドキュメント・日米地位協定」の冒頭部分を紹介します。今回が全5回の最終回。被害に苦しむ沖縄の人たちと、米軍関係者との意識の差はどこから生まれるのか。取材班が最初に沖縄ではなく、首都圏での取材に力を注いだ理由とは。 <前回までのあらすじ:取材班の初会議が2019年11月、福岡市で行われる。取材班発足のきっかけになったのは沖縄を取材してきた記者たちの思いだった。2016年4月に沖縄県うるま市で20歳の女性が元海兵隊員の米軍属に殺害された事件を取材していた川上珠実は米軍関係者の取材に訪れた>