麻薬中毒、と聞いて思い浮かぶものは何でしょう?裏通りに立つ強面の違法薬物売人、ギャング、裏社会、そんなところでしょうか。しかし、米国で過剰摂取によりもっとも多くの命を奪っている薬物は、「病院で処方される鎮痛剤」だというのが実態です。 2015年6月、トヨタの米国人役員が違法薬物を輸入したとして逮捕されました。結果的には不起訴となりましたが、彼女が小包に忍ばせて日本に持ち込もうとした薬こそ、全米で依存症患者を生んでいる、麻薬成分を含むオピオイド系鎮痛剤でした。麻薬取締り法の対象となる薬物が、米国では「腰痛のため」に処方され気軽に飲まれているということは当時驚きをもって受け止められました。 米国でのオピオイドのまん延は深刻で、昨年トランプ大統領は「非常事態」を宣言し問題解決に数十億ドルの予算を投入するとしました。それから半年以上が経過し、オピオイド依存症患者の数は大きく減ったといつものトランプ