ブロックチェーン技術(注1)の大きな特徴である可用性と、金融系システムで求められる決済の確定性(ファイナリティ)の間にはトレードオフの関係があります。日本銀行が行った実験結果は、このことを確認する内容となっています。 「ファイナリティ」は一貫性を重視した言葉 ブロックチェーン技術を情報システムに適用する場合に話題になることが多い言葉が「ファイナリティ」です。 ファイナリティとは、元々は金融業界の用語で「決済の確定」を意味します。ブロックチェーン技術に対してこの言葉が用いられるのは、決済処理の挙動が確率的であるブロックチェーン技術(詳しくは後述)に対して「ファイナリティがない」と表現する場合です。 ファイナリティが問題になる背景には、ビットコイン、Ethereum、NEM/mijinなどのブロックチェーン技術が実現している一貫性と、金融機関が情報システムに求めている一貫性の種類が異なるという