地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教や、白装束集団のパナウェーブ研究所、ミイラ事件のライフスペースなど、「カルト宗教」の行動や思想は、一般人にとっては理解しがたい。 『ドアの向こうのカルト』(河出書房新社)を上梓した佐藤典雅氏は、「東京ガールズコレクション」を手がけた現役ビジネスマンでありながら、25年にわたって「エホバの証人」の信者だった人物だ。エホバは世界で739万人、日本でも20万人以上の信者を持ち、有名人ではシンガーソングライターの矢野顕子や『クレヨンしんちゃん』の作者である故・臼井儀人氏などが知られる。また、マイケル・ジャクソンも元信者だった経歴を持ち、あのプリンスも現役である。 佐藤氏が本書で描くのは、9歳の頃から信者となり、35歳になるまで過ごしたエホバでの日々と、そこから脱会するまでの半生。いったい、元カルト信者は、どんな視点から世界を見ているのだろうか? ――6年前に佐