事業仕分けによる科学技術予算の厳しい判定に対し、記者会見で緊急声明を発表するノーベル賞受賞者ら。左から江崎玲於奈、利根川進、森重文(フィールズ賞受賞者)、野依良治、小林誠の各氏=25日夜、東京・本郷の東大 とりあえず終わった政府予算削減のための「事業仕分け」。「聖域」という言葉も、使い方が難しいなあと感じた。 「聖なる区域」は、「入ってはいけない場所」という意味で使われることが多い。小泉純一郎氏や財務省が使う「聖域なき構造改革」や「聖域なき歳出削減」という言葉では、この「入ってはいけない」という意味がクローズアップされ、簡単には削減できない予算領域という意味で使われてきた。 だが、こうした使い方に慣れていたためか、境界線が持っていた意味が薄れてしまった。議論は「聖域に入っていいか」「入ってはいけないか」の応酬ばかりで、勢力バランスが崩れれば「入ったっていいじゃないか」になる。 自民党政権で