新型コロナウイルス感染症の動物モデルであるハムスターを用いて、オミクロン株に対する現行のmRNAワクチンの有効性と従来株感染から回復したハムスターの再感染リスクを検証した。 従来株に対して設計された現行のmRNAワクチンは、従来株に対しては、ワクチン接種後、7ヶ月経っても一定の効果が認められたが、オミクロン株に対してはその効果は低かった。 従来株に対して免疫をもつハムスターでは肺におけるウイルス量は著しく抑制されていたが、鼻におけるウイルス量の抑制は限定的であった。 オミクロン株の感染拡大の一因として、現行のmRNAワクチンの接種または従来株感染によって誘導される免疫が、オミクロン株には十分でないことが挙げられる。 発表概要 2021年11月に初めて南アフリカで確認されたオミクロン株は、スパイク蛋白質に少なくとも30ヶ所の変異を有しており、それまでの世界的な流行株であったデルタ株(注1)に