安倍元首相の国葬での菅前首相の弔辞に感動した人は少なくない。だが、違和感を覚え危機感を募らせている人々もいる。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「菅さんは『天に召された』『天国の』といった表現を使いましたが、旧統一教会も死後世界を『天国』と表現しているため、『安倍さんは旧統一教会側の人間であった』という既成事実を与えてしまいかねない」という――。 「○○さん天国に」相次ぐ訃報の報じ方はこれでよいか このところ、著名人の訃報が続いている。今年になって安倍晋三元首相(享年67)や京セラ創業者の稲盛和夫氏(90)、落語家の三遊亭円楽氏(72)、さらにはアントニオ猪木氏(79)が続いた。 スポーツ新聞やテレビワイドショーでは「◯◯さん、天国に」などという表現で、その死を報じている。しかし、この「天国」という言葉の定着に、仏教界が危機感を募らせている。 「天国」は、主にキリスト教用語であり、仏教の