ハンガリー政府が選挙の投票方法に関し、未成年の子どもを持つ母親に対して追加的に1票を割り当てることを検討していることが話題になった。子どもにも1票を認める「ドメイン投票」と呼ばれるものだ。少子高齢化が深刻な日本にとっても、政府の役割を考え直す契機になりそうだが、ここでは、ドメイン投票よりも効果の大きい「若者の意思を反映しやすい選挙権制度」について考えてみたい。 数千万円の借金を負わせる「財政的幼児虐待」 電車のなかで赤ちゃんを抱えた人が目の前に立っていても、お腹の大きな妊婦が立っていても、席を譲る気配も見せない元気そうな高齢者を何度も見かけたことがある。私自身、ベビーカーを押してエレベーターを待っていて、健脚な高齢者に横入りされた経験は数えきれない。こうした状況よりもさらに深刻なのは、社会保障における世代間格差である。 現在の高齢者世代は、年金や医療保険を通じて政府から多くの給付を受けてい
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