令和元年に三重県の自宅で14歳だった就寝中の娘にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性の差し戻し控訴審判決で、名古屋高裁(杉山慎治裁判長)は18日、無罪とした差し戻し一審津地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 昨年5月の差し戻し1審津地裁判決は、当時の娘の姿勢では下半身を触ることが難しかったなどと指摘、直接証拠とされた被害証言の信用性に疑問が残るとして無罪を言い渡した。検察側が「性犯罪被害者の心理や児童の供述特性に関する専門的知見を無視した判決だ」として控訴していた。 男性は令和元年8月、娘の下着の中に手を入れたなどとして逮捕、起訴された。津地裁四日市支部が懲役3年6月の判決を出したが、名古屋高裁は3年、証言の信用性について審理を尽くしていないとして1審判決を破棄、審理を津地裁に差し戻した。