現在、米国では中小銀行を中心に資金流出が起こっており、その一部はMMFに流れているとされているようです(例えば、この記事などを参照)。歴史的には、筆者が記載した米国MMF入門で説明したとおり、米国では1970年のインフレの時代に金利が上がる中で、預金からMMFへの資金シフトが起こるという形で、MMFのプレゼンスが上がりました。米国では投資信託などの投資商品が普及しているとされていますが、その一因として、MMFの普及が指摘されることがあります。個人が投資信託を始める際に、証券口座を開設することが一つのハードルになるわけですが、預金というイメージでMMFの口座が開設されれば、個人がもう少しリスクが高い商品を選ぶ、という展開になりえるからです。 我が国に目を向けると、我が国では長年、預金が個人金融資産の中心であり、いわゆる「貯蓄から投資へ」という議論がされるものの、現時点でにおいても、「貯蓄から