これまでの消費社会からコミュニケーション社会(狭義の情報社会),そしてこれから到来すると考えられる「創造社会」への移行とともに,創造活動を支援する「クリエイティブ・メディア」の重要性が増してくる。本稿では,クリエイティブ・メディアの1つとして,デザインにおける経験則を記述する「パターン・ランゲージ」を取り上げ,その可能性を考察する。もともと建築デザインのために考案され,後にソフトウェア・デザインに応用された方法を,人間活動のデザインに応用した事例として,ラーニング・パターン,プレゼンテーション・パターン,コラボレーション・パターンを紹介する。また,それらの人間活動のパターン・ランゲージを,パターン・ランゲージの進化における第3の波ととらえて「パターン・ランゲージ 3.0」と名づけ,その特徴をデザインの対象,デザインの特徴,ランゲージの使い方の観点から比較・検討する。