2013年9月25日のブックマーク (2件)

  • ローラン・ビネ『HHhH』 | Living Well Is the Best Revenge

    先日から國分功一郎の『ドゥルーズの哲学原理』を読んでいる。最近、若手によって発表されたこのドゥルーズ論についても機会があればこのブログで応接したいが、最初に國分はドゥルーズの哲学について「自由間接話法的ヴィジョン」という興味深いテーマを提起する。周知のごとくドゥルーズはヒュームやベルグソン、あるいはプルーストやカフカといった哲学者や文学者のテクストに寄り添いながら、自身の哲学を開陳したとみなされてきた。しかし國分は異なった見方をする。 もし哲学研究が、対象となる哲学者の思想を書き写すこと、まとめ直すことであるならば、それはその哲学者が述べたことをもう一度述べているにすぎない。そして、先に述べたとおり、対象となる哲学者の思想とは別の思想をその哲学者の名を借りて語っているのであれば、それは哲学研究ではない。ならば哲学研究は何をするべきか? 哲学者に思考を強いた何らかの問い、その哲学者人にすら

    ローラン・ビネ『HHhH』 | Living Well Is the Best Revenge
    xijiao
    xijiao 2013/09/25
  • ホセ・ドノソ「境界なき土地」書評 無意識と抗えぬ血が湧き出す|好書好日

    境界なき土地 [著]ホセ・ドノソ 南米チリの作家ホセ・ドノソは前世紀の終わり頃に亡くなっている。作品が日に紹介されたのは主に70年代のことだったが、他のラテンアメリカ文学者たちほどには人口に膾炙(かいしゃ)されず、どこか通好みの作家という印象が強いのではないか。 それもこれも、代表作『夜のみだらな鳥』の圧倒的なグロテスクさ、現実の変容ぶり、自由で複雑な語りなどによるだろう。確かにそれは、奇怪な有機体の中へ迷い込んだような錯覚を誘う大長編である。 今回訳出された『境界なき土地』は、まさに『夜のみだらな鳥』を書きあぐねていたドノソが、その“原稿用紙の裏に”書いたという伝説を持つ。難航する創作の合間にふと浮かび上がった世界を、デッサンするかのように。 舞台は小さな村の売春宿。訪れる乱暴者や権力者が“ヒロインの家族”を脅かし、魅了し、破滅に導く様が簡潔に、しかしひと筋縄ではいかない屈折の中で描か

    ホセ・ドノソ「境界なき土地」書評 無意識と抗えぬ血が湧き出す|好書好日
    xijiao
    xijiao 2013/09/25