浅香怜子著 琉球の花街として知られる辻は、本土のものとは異なる成り立ちと性格を持っていることで知られている。 女達による自治、あるいは辻にかよう客との関係等々を歴史と伝承をふまえて解明しつつ、著者の活動=本土の門付け芸能としての「春駒」の継承、その伝播の南限としての琉球の「じゅり馬」との比較研究を通して、「辻」とは何かを明らかにする。 これまでの辻をめぐる議論を一新する女の立場からの「ものがたり」である。 多数の写真図版を収録し、資料性も高めている。カラーグラビア有り。 〈目次〉 はじめに-辻の名芸妓の死 一 琉球の花街 1 辻地域のこと 2 旧廿日正月とじゅり馬 3 辻の戦後 4 現在のじゅり馬の風景 二 辻村女の里(チージ)の暮らし 1 女性たちの組織 2 侏とチージの共同性 3 侏の暮らし 4 チージのもてなしと料理 5 盆切りと歳切り 6 侏の墓がないチージ 三 侏をとりま