<人口増加が鈍化する中、増減が国ごとに大きく分かれている> 2022年11月に80億人を突破した世界の人口増加が減速している。ただし世界で一律に減少しているわけではない。爆発的に増えている国もあれば、減少に転じた国もある。 世界236の国と地域を調べた調査では、推定40カ国・地域で人口が減少しており、中には年に1%以上のペースで減っている国もあった。このデータは米中央情報局(CIA)が発行する「ワールド・ファクトブック」にまとめられている。 「これは主に、欧州の多くの国と東アジア(さらにはプエルトリコとキューバでも)における出生率の低さ(場合によっては極端な低さ)に起因する」。ヴィトゲンシュタイン人口統計学および世界人的資本センターの上級研究員で、ウィーン人口研究所の副所長を務めるトーマス・ソボトカは本誌にそう語った。 「人口が急減している国は、出生率の低さと国外への移住、人口高齢化が組み